Rapidus、エスペラント・テクノロジーズ社と協力覚書(MOC)締結~低消費電力のデータセンター向けAI半導体の開発・製造を推進~
Rapidus株式会社(本社:東京都千代田区麹町4丁目1番地、代表取締役社長:小池淳義)は、RISC-Vベースのコンピューティング・ソリューションを開発するエスペラント・テクノロジーズ(Esperanto Technologies, Inc. 本社: 米国カリフォルニア州)と、協力覚書を締結したのでお知らせいたします。今回の協力覚書締結により、本格的なAI時代の到来で必須となる低消費電力のデータセンター向けAI半導体の開発・製造を推進していきます。
エスペラント・テクノロジーズは、オープンスタンダードのRISC-V命令セット・アーキテクチャをベースに、人工知能/機械学習のための高性能なコンピューティング・ソリューションを開発しています。同社は生成AIやハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)の分野において、高いエネルギー効率を実現する半導体設計技術を有しております。
Rapidusは、北海道・千歳市において、国内初となる2ナノメートル(nm)以下の最先端ロジック半導体を製造する施設・IIM(Integrated Innovation for Manufacturing)の建設を、昨年9月から開始しました。Rapidusは並行して現在、世界最先端の半導体研究拠点の一つである米国ニューヨーク州のAlbany Nanotech Complexに研究員を派遣し、IBMとの協働により、2nmのロジック半導体生産に関する技術開発を進めております。また、imecにおいて、最先端半導体の生産に不可欠なEUV露光装置の技術を習得する予定です。こうした技術を活用し、IIM-1において2025年4月にパイロットラインを稼働し、2027年には量産を開始する計画です。
生成AIに代表される本格的なAI時代の到来を迎える中で、データセンターの消費電力量が増加しています。AIで文章や画像を自動生成するために大量のデータを機械学習する必要があり、そのために大量の電力が必要となっています。IEA(国際エネルギー機関)によると、世界のデータセンターでは、生成AIなどの影響で電力需要が伸びており、2026年には約1,000TWhに達する可能性があるとされています。これは日本全体の総電力消費量に匹敵する数字です。(出展: “Electricity 2024” ©International Energy Agency)
このような状況を踏まえ、今後省エネルギーを実現させる半導体開発・製造が必須となります。Rapidusが製造を目指す2nmノード半導体は、従来の半導体よりもさらに微細化されることにより、処理性能の向上だけでなく、消費電力を飛躍的に低減することが可能となります。
今回協力覚書を締結したエスペラント・テクノロジーズは、生成AI、HPC、エッジデバイスなど様々な分野で消費電力性能に優れた製品開発を行っており、同社との協業による次世代半導体の設計・製造によって、AI時代に即したエネルギー効率に優れた製品開発を目指します。
エスペラント・テクノロジーズ社長兼CEOのArt Swift(アート・スウィフト)氏は次のように述べています。「Rapidusとの戦略的パートナーシップは、当社の日本での事業拡大計画で重要な役割を果たします。Rapidusは新しいアプローチによる最先端の半導体製造を目指しており、その方向性とスピードに非常に感銘を受けています。日本の他のパートナーとともに、当社のエネルギー効率に優れた技術をより多くのSoC設計者に広げていきたいと考えています。」
Rapidus代表取締役社長の小池淳義は次のように述べています。「Rapidusは企業理念の一つとして『真のグリーン化に向けてイノヴェーションを推進する』ことを掲げています。本格的なAI時代を迎えた現在、省エネルギー性能に優れた半導体の設計・製造は必須となっており、今回のエスペラント社との協業は、この課題解決に向けた大きな一歩になると考えています。」
エスペラント・テクノロジーズについて
エスペラント・テクノロジーズは、大規模並列処理が可能な高性能でエネルギー性能に優れたコンピューティング・ソリューションを提供し、最も要求の厳しい生成AIや非AIアプリケーションに対する選択肢を提供します。変化が激しく高い計算能力が要求される現代の機械学習の時代において、既存アーキテクチャーや専用システムによるプログラマビリティ制限のない、新しいクリーンシートのソリューションが必要となります。エスペラント・テクノロジーズは、シンプルで洗練されたオープンスタンダードのRISC-V命令セットアーキテクチャ(ISA)を活用し、柔軟性、スケーラビリティ、パフォーマンス、エネルギー効率に優れたシステムを提供します。
Rapidus株式会社について
Rapidus株式会社は、世界最先端のロジック半導体の開発、製造を目指す企業です。設計、ウェーハ工程、3Dパッケージなどのサイクルタイム短縮サービスの開発・提供によって、新産業創出を顧客と共に推進していきます。半導体を通して人々を幸せに、豊かに、充実したものにするために。私たちは、挑戦し続けます。
本社:東京都千代田区麹町4丁目1番地
設立:2022年8月10日
経営陣:取締役会長 東哲郎、代表取締役社長 小池淳義
事業内容:半導体素子、集積回路等の電子部品の研究、開発、設計、製造及び販売等
資本金等:73億4,600万円(2022年11月時点。資本準備金の額を含む。)
<報道関係者の問い合わせ先>
クレアブ株式会社
安江邦彦
Email:kyasue@kreab.com
奥本孝乃
Email:tokumoto@kreab.com
八木美希
Email:myagi@kreab.com