Rapidus、半導体の設計期間の短縮に向けてシノプシスと協業
Rapidus株式会社(本社:東京都千代田区麹町4丁目1番地、代表取締役社長:小池淳義)は本日、シリコン to システムのリーディング・プロバイダ シノプシスと、プロセス感度やばらつきの新しいモデル化により設計のサイクルタイムを短縮するソリューションを共同で開発することで合意しました。本技術によりプロセスの更新とPDK更新に合わせたロジックおよびメモリのタイミングモデル作成に必要な時間を2~3カ月からわずか数日に大幅に短縮することが可能になります。
シノプシスは、協業の一環として、同社のAIベースEDAツール群を活用した最先端設計フローを開発し、Rapidusの2nm GAAプロセス対応の幅広いIPポートフォリオを実現することで、設計と製造を同時に最適化し、アジャイルな設計を可能にするRapidusのDesign for Manufacturing and Co-Optimization(DMCO)コンセプトを具体化していきます。
半導体設計のサイクルタイムでネックとなるものの一つがIPライブラリのキャラクタリゼーションです。通常は、PDKや製造プロセスがアップデートされるたびに、IPのリキャラクタリゼーションを行う必要があるため、タイミングモデルを生成するために、2-3カ月の期間を必要とします。これに対し、DMCOの新しいワークフローでは、PDKや製造プロセスがアップデートされた際に、センシティビティ・ライブラリを用いた機械学習(ML)ベースのタイミングモデル生成ツールであるPrimeShieldTMを含むシノプシスのAIベースEDAソリューションを使用することで、設計サイクルのボトルネックの問題に対処します。さらにRapidusの短TAT製造によるシリコンデータを用いたキャリブレーションにより、モデルの精度が上がり、設計の収束を加速させることができるようになります。
シノプシス 社長 兼 CEOのサシーン・ガジ(Sassine Ghazi)氏は、次のように述べています。「当社は、世界の主要なファウンドリの新プロセス立ち上げ支援の使命を果たし続け、ファウンドリの成果物の最初のステップとして多数の貢献をしてきました。当社のAIベースのEDAフロー、IP、専門的なメソドロジ・サービスを活用した先進的なDMCOソリューションにより、設計者はRapidusの2nm GAAプロセスで最適な結果品質と高い製造歩留まりを達成できるようになります」。
Rapidusは、従来のDFM(Design for Manufacturing)に加え、MFD(Manufacturing For Design:設計のための製造)という概念を取り入れることで、ウェーハプロセスにセンサーとAIを活用し、製造工程で得られたシリコンビッグデータに基づく設計の効率化を図ります。今回のコラボレーションにより、PrimeShieldTMの機械学習モデルにRapidusのシリコンビッグデータを投入することで、MFDが実現します。さらに、シノプシスの多岐にわたるインターフェイスIPポートフォリオと、基本的な機能が含まれるファウンデーションIPにより、各種機能のSoCへの統合リスクを低減し、シリコン成功への道を加速することができます。
Rapidusは顧客提供価値として、設計支援と、前工程・後工程を一貫して行うことでカスタマーにとってのtime-to-marketの短縮を実現するRapid and Unified Manufacturing Service(RUMS)の構築を目指しており、DMCOによる設計支援を今後もさらに充実させます。
Rapidus代表取締役社長の小池淳義は次のように述べています。「シノプシスとのパートナーシップは、設計プロセスを簡素化し、迅速化するための重要なマイルストーンです。Rupidusの目指すRUMSでは、前工程に完全枚葉式を採用します。これにより取得可能となる膨大なデータは、シノプシスのAIベースのEDAフローとIPとの親和性が非常に高く、Rapidusが目指すどこよりも速い短TAT製造がまた一歩前進することになると確信しています」。
【Rapidus株式会社について】
Rapidus株式会社は、世界最先端のロジック半導体の開発、製造を目指す企業です。設計、ウェーハ工程、3Dパッケージなどのサイクルタイム短縮サービスの開発・提供によって、新産業創出を顧客と共に推進していきます。半導体を通して人々を幸せに、豊かに、充実したものにするために。私たちは、挑戦し続けます。
本社:東京都千代田区麹町4丁目1番地
設立:2022年8月10日
経営陣:取締役会長 東哲郎、代表取締役社長 小池淳義
事業内容:半導体素子、集積回路等の電子部品の研究、開発、設計、製造及び販売等
資本金等:73億4,600万円(2022年11月時点。資本準備金の額を含む。)
<報道関係者の問い合わせ先>
クレアブ株式会社
犬塚直哉
Email:ninuzuka@kreab.com
八木美希
Email:myagi@kreab.com